叙位叙勲

死亡叙勲

叙位・叙勲は、国家又は公共に対し功労のあった方が死亡した場合に行われるもので日本独自の制度です。勲章は、本来着用をするものですから、亡くなった方を叙勲するという考え方は、西欧諸国には殆どみられないということです。

亡くなった方の生前の最後の日付、すなわち死亡日付をもって勲章を授与することとし、生前に叙勲された形をとっています。 死亡叙勲については、原則として死亡日から30日以内に、閣議決定、上奏、裁可の手続きを完了しなければならないことになっているので、その手続きにあまり時間的な余裕が無いことと思います。

死亡叙勲の発令件数は年々増加傾向にあります。この増加の要因としては、春秋叙勲は原則として70歳に達しないと受章できませんが、死亡叙勲は70歳に達していない方も受章できること、そしてその背景には、「死亡した方の生前の功労に報いるべきである」とする日本人の死生の見方が大きく影響しています。

叙位・叙勲ともに、裁可があった日に新聞発表されます(地域により掲載がない場合もあります)。死亡叙勲の場合、御遺族様のお手元に届く勲章・賞状は生存者叙勲の場合とまったく同様です。立派に掲額してお飾りになることをおすすめいたします。

叙位とは

国家、公共に対して功績のあった方に「位」を授与されるもので、叙勲と同じく日本国憲法第7条に基づき内閣の助言と承認により「天皇が行う国事行為」として実施しているものです。

現在の叙位の制度は、大正15年(1926年)の位階令に基づくもので、戦前は官公吏と軍人が在官在職等の年限や等級に応じて授与され、有爵者は爵に準じて叙せられていました。 しかし、新憲法下では、国家又は公共に対し功労のあった方が死亡なされた際に、生涯の功績を称え追悼の意を表するために運用されています。 生前に春秋叙勲を受章された場合には、叙勲は一生に一度ですので、死亡叙勲は受けられませんが、従来の功績について位階は授与されるので、祭壇に位記を飾ることができるわけです。

叙位についても、死亡叙勲と同様、原則として死亡日から30日以内に、閣議決定、上奏、裁可の手続きを完了しなければなりません。

位記は折りたたんだ書状のかたちで伝達されますので、その重みが実感しにくいかと存じますが、かつては朝廷に仕える官人の身分証明であり、時には戦国武将が権威として高い官位を求めたという史実がございます。位階を受けられたということは、御受章者様が日本国の歴史に御名前を刻まれたという証です。ぜひ額装して大切にお飾りください。

叙位の階級

位階 叙位 位記の説明
正一位 親授 正一位、従一位は親授とされ、これは天皇が自ら授与することを意味します。位記もまたこのことをうけて天皇の署名がなされ天皇御璽がおされるとともに内閣総理大臣の自署も必要とされております。
従一位
正二位 勅授 正二位以下従四位までが勅授とされ、これは勅命によって授与されることを意味します。
正二位から従四位までの位記には天皇御璽がおされます。
従二位
正三位
従三位
正四位
従四位
正五位 奏授 正五位以下が奏授とされ、天皇裁可により上奏者(内閣)が授与することを意味します。
正五位以下の位記には内閣の印がおされます。
従五位
正六位
従六位
正七位
従七位
正八位
従八位